中国とインドにはさまれた大ヒマラヤ山脈の南麓に、ブータンという百年前から続く王国があります。他国との交流もあまりなく、ひっそりと暮らしてきた農業国です。そのブータンの第四代国王が発案したGNH(グロス・ナショナル・ハピネス)が、世界じゅうから注目されています。国民総生産ならぬ「国民総幸福」。近代化を急がず、自然や伝統文化を守り、みんなでしあわせになろうという考え方です。チベット仏教に支えられたこのGNHの理念を実現しようとしているブータンで、その「幸せの智恵」を探してきました。