ゴルバチョフの改革路線によって、緊張緩和の大きなうねりが世界を覆っていた。が、そのムードに水をかけるような大事件が発生した。プロバスケットの試合中であったニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンに旅客機が墜落したのだ。しかも、事故機内には毒ガスが仕掛けられていた。調査の結果、毒ガスがソ連製と判明し、大惨事の衝撃と相まって、アメリカ国内に反ソムードが高まった…。世界を揺るがす改革の激震を背景に、いま最もホットな小説が出現した。第36回江戸川乱歩賞受賞作。