浅草で評判の一膳飯屋・樽屋の板前、孝助のもとに、悪評高い岡っ引きの文蔵がやって来た。店に毎晩来る浪人・越野十郎太が、連続辻強盗ではないかと目星をつけたからだ。文蔵の手下になりたい孝助は、十郎太を見張るが、十郎太はすぐに意図を見抜き、疑いを否定する。やがて二人は、そろぞれが十年前の事件の裏を暴くため、浅草に戻ってきたことが明らかに…。一方、太物問屋・片倉屋に、手代として働いていた息子を見捨てられた千代治は、復讐のため主人・徳兵衛らを付け狙う。だがその矢先、番頭が辻強盗に殺される。果たして犯人は-?美味しい浅草の食と事件を描く捕物帖、待望の幕開け!