牢人は「フウジン…」と呟いただけで、迫ってきた。次の瞬間、眼前でかすかな刃風を感じた-。その剣は顔面を裂き斬る恐ろしいものだった。無宿人など行き場のない者が集う口入屋「極楽屋」の男が次々とその剣で殺されていた。老いた刺客安田平兵衛は仲間の敵を討とうとするが、その前に雷神と称す刺客が!風神と雷神の二人の強敵に、平兵衛、最大の危機。