浅草瓦町の蔵宿・大野屋に雇われていた対談方(用心棒)の猪之助が、何者かに突き殺された。三月ほど前にも対談方の牢人が、刀のようなもので一突きにされた矢先の出来事だった。隠密同心の長月隼人は、奉行から事件の探索を命じられるが、目付方にも探索の動きが-。何者かに脅かれているのか、口を閉ざす蔵宿の主たち。そして下手人を必死に追う隼人たちの前に、恐るべき剣客たちが姿を現す。果たして隼人は強敵に打ち勝つことができるのか。