国語という教科が成立したのは、1900年のことである。それ以来、国語科の「教科内容の系統性」は曖昧なまま放置され続けてきた。そのことは、日本で最も影響力のある教科内容「学習指導要領・国語」にわかりやすいかたちで顕在化している。なぜ、小学校3・4年生で「登場人物の性格や気持の変化」を学び、5・6年生で「登場人物の相互関係」を学び、中学校3年生で「登場人物の設定」について学ぶのか。この順序にどんな必然性があるのか?「構造」「形象」「レトリック」「論理」「吟味」のキーワードを核としながら、「教科内容の系統化」について大胆な試案作成を試みる。