深川は要橋端の"地獄宿"と恐れられる一膳めし屋。客は寄りつかず、胡散臭い男たちが群れる店におきゃんな若い娘が働き始めた。そこの主は知る人ぞ知る、闇の殺しの差配人。ところが、地獄宿の男が一人また一人と惨殺される、しかも異様な斬り口を残して。狙いは何か?存亡の危機に立たされた地獄宿は、五十七歳の老刺客・安田平兵衛に最後の望みを託した…。