痴呆症になった本人は何もわからなくなっているのではなく,みずからの症状に悩み苦しんでいる。そのひとたちがぼけても普通に生きられることを実感できる,環境を作り上げることが大切である。20年にわたる,介護現場や介護者家族の実践的な模索の過程をたどり,その中から痴呆老人ケアの論理を考える。