材木商の陣左衛門は途方に暮れていた。請け負った熊野杉が時化で流され、熱田湊にある残りも先払いがないと動かせない。事情を知った壊し屋稼業の晋平は話を渡世人のあやめの恒吉につなぐ。先払いの四千両を恒吉が持ち、杉を江戸に廻漕できれば四千両の見返り。しくじれば丸損。恒吉は代貸の暁朗に一切を任せて熱田湊に送り込む。商人の矜持に渡世人気質が助っ人して乾坤一擲の大勝負。