自己の社会心理学的研究は,対人関係や集団,文化の問題を考える重要な切り口としての役割がある。本書では,「わたしの成り立ち」「わたしと対人関係」「軋むわたし」という3つの区分を設定し,自己を成り立たせている過程や,人との関わりのなかでの自己の役割,安定的な自己に「軋み」を生じさせる事象を検討する。