現場の教師に向けて,教室の中で,「主体的な学び手」を育てるための理論と技法を分りやすく紹介。ピアジェやヴィゴツキー,ブルーナー,バンデューラらの理論的エッセンスを背景に,「学習者間でモニターしあった共同作業が学習者にとっていかに効果的な学習環境をつくることになるのか」を事例研究や授業風景を交えて解説する。アクティブラーニングをもう一歩「深く」理解したい人に最適な心理学入門書。
◆主なもくじ 1章 序論 ・構成主義的動向序説 ・構成主義的学習理論の黎明期 ・学習理論への社会的構成主義アプローチの概観 ・社会的構成主義の考え方と初期の提起者 ・ピアジェの発生的認識論1: シェマ ・ピアジェの発生的認識論2: 同化, 調節, 均衡化 ・ヴィゴツキーの社会的学習理論 ・ブルーナーの学習理論 ・バンデューラの社会的認知理論 ・状況学習論
2章 研究:現在, 最近, 過去の実践から得られたエビデンス ・教室での成績と社会的相互作用 ・学習の社会・情動的側面(SEAL) ・教室での共同作業と協同作業 ・コンピュータを用いた社会的学習環境 ・社会的に構成された教室
3章 理論:社会的構成主義と社会的学習理論からの教訓 ・社会的相互作用, 思考, 絡み合い ・原理と段階 ・足場かけ:計画的な足場, 思いつきの足場 ・モデリングと発話思考 ・社会的構成主義の原理の拡張
4章 教授法:実践に導く規則・原理・理論 ・構成主義理論での教授法の特徴 ・学習の準備ができている, ということ ・構造化, 順序化, 選択肢の設定 ・認知的徒弟制 ・社会的相互作用と教室での談話 ・社会的相互作用を通して個人を支援する
5章 授業方略 構成主義的な教師の授業方略 (1)先行知識を活性化させる (2)コンピュータを介した協同作業をさせる (3)ペアでの作業をさせる (4)大人が教え方を学ぶ(正統的周辺参加の大切さ) (5)協同して学ぶ (6)カリキュラムを横断して協同する (7)ペアでゲームを製作する (8)共同して誤った結論に至る