築地の采女ヶ原馬場で中年の浪人が殺された。南町奉行所隠密廻りの乾蔵人は吟味方与力の秋山久蔵から命令を受け探索を始めた。事件の背後に浮かんできたのは、将軍家に関わるとされる一通の置文の存在だった。書いたのは、老中田沼意次。文に書かれていた中味とは、そして、文を巡る暗闘の結末は-。心優しき凄腕隠密・乾蔵人が闇を裁く大好評のシリーズ第二弾。