五山の送り火の二日後、菊太郎は姉小路大宮で襤褸をまとい、力なく歩く四十男を見かける。声をかけようか逡巡するが、後日、その男は腹に刀傷を負い、さらに痩せさらばえた姿で鯉屋に担ぎ込まれる。悔恨の情を募らせる菊太郎に伝えられた男の素性。そこには世にも哀れな真相が隠されていた…。人情時代小説の傑作シリーズ、待望の第十四集。
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