雨乞いの法会を何とか切り抜けた親鸞は、外道院と袂を分かち、恵信らと平和な日々を迎えていた。越後で施療所を開設し、訪れる多くの人びとの相談を聞いた。やがて、法然上人が許されたという吉報にも接するが、親鸞は京へ上ることをためらい、そのうちに訃報が届く。「わたしは、独りになった。自分自身の念仏をきわめなければならない」。新たな決意をした親鸞の下に、関東からの誘いがかかったのはそんな折だった──。
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