漫画単行本には収録されていない雑誌連載時の扉絵を中心に収録!
2018年に生誕90周年を迎えるマンガの神様・手塚治虫。生涯で15万枚の漫画原稿を描いたと言われる中から、扉絵だけを集めた作品集です。資料としても希少性が高く、なおかつ手塚作品をアートとして鑑賞できる内容になっています。2冊シリーズの後編となる本書は、手塚が漫画家として円熟期を迎える1970年代から、惜しまれながら世を去る1989年までの作品を収録しました。
連載漫画や単行本の冒頭にタイトルとともに入れられる扉絵は、大胆な画面構成など読者の目を引くためのさまざまな工夫が凝らされており、手塚作品のもう一つの魅力が凝縮されています。特に雑誌連載時の扉絵は、単行本ではほとんどカットされてしまうため、本書で初めて収録される貴重なものも多数あります。また、現在は絶版となり入手困難になっている単行本の扉絵も収録しました。
原画が現存するものに絞り、2000点を超える候補の中から厳選した約850点を収録。大々的にクリーニングが施された近年の復刻漫画とは一線を画し、補正は最小限に留めて、原画の傷みや修正跡、経年変化による変色などもあえて「風合い」として生かし、モノクロ原稿もフルカラーで掲載しています。これにより、年月を重ねた歴史とともに作者の繊細な筆致や息遣いが感じられる、まさに原画ならではの醍醐味をお楽しみいただけます。
巻末には手塚治虫の元マネージャーと、手塚作品の貴重な原画資料を管理する責任者のインタビューを掲載。関係者の証言から、手塚の仕事ぶりや扉絵に込めた想いを浮き彫りにしていきます。初期から中期までの作品を収録した既刊「手塚治虫扉絵原画コレクション1950-1970」と合わせ、ぜひお手元に!