隠岐島に向かう船に宗徳、左仲、与惣次、豪の姿があった。父親殺しで流刑となった十二歳の罪人・民吉の護送のためだ。その道中、女性の流人が海中へ身を投げた。弔いのため自ら墓石を彫るという左仲。その手伝いをしてくれた流人の七左衛門は元京都の石工。奉公先で手篭めにされ、自ら命を絶った娘の仇を討ちたいという七左衛門の話を聞いた一行は…。好評時代連作集、第十弾。