文学史から忘れられたドイツ初期ロマン主義の人々の復権と、想像的世界の可能性をめざす!現実の重さに堪えかねてともに自殺した、詩人クライストと女流詩人ギュンデローデ…。二人の架空対話をとおして、19世紀初頭の社会とそこに生きる若者たちの閉塞感を鋭く分析しながら、現代に生きる自身とをかさね合わせ、精神の自由を獲得しようとするヴォルフの、自己探求の文学。