お母さまは、じぶんは「死」にむかいながら、わたしを「生」にむかってなげたのです。
第2次世界大戦中のドイツで奇跡的に生きのびた、ひとりの女性の物語
赤ちゃんを走る列車から投げ出すなどということは、平時であれば、殺人行為と見られてしまう。しかし、(中略)たとえ生きられる確率は1万分の1であっても、ゼロではない道をわが子のために選んだという母親の決意は、一筋の「生」の光を求める崇高なものとして、人々の心を揺さぶらずにはおかないだろう――柳田邦男(「訳者のことば」より)
第10回日本絵本賞 翻訳絵本賞 受賞