行動科学研究から臨床応用まで,心理臨床の歴史そのものと呼ぶにふさわしいほど長い歴史と蓄積をもつ行動療法。「パブロフの犬」の実験から認知行動療法,臨床行動分析,DBT,ACT,マインドフルネスまで,行動療法の基礎と最新のムーブメントをていねいに解説する研究者・実践家必読の行動療法入門ガイド。
行動療法の全体的イメージをつかめるように,心理療法としての行動療法の発展を解説した第I部(第1章),それぞれ行動療法のエンジンとも呼べる「レスポンデント条件づけ」「オペラント条件づけ」を紹介する第II部(第2~3章)と第III部(第4~8章),人間に固有の行動といえる「ものを考えること(認知・言語的行動)」に焦点を当てた第IV部(第9~11章),行動療法の臨床応用において永遠のテーマと呼べるセラピストとクライエントとの関係性にフォーカスした第V部(第12~14章),そして行動療法の世界観を解説した第VI部(第15章)。第1章から順にやさしく読める文体で,基礎知識だけでなく行動療法臨床のエピソードも織り交ぜて解説し,「なるほど,この原理はこういった実践に役立つのか!」と納得できるよう原理と実践がリンクする内容を心がけて,重要概念を整理した巻末付録「用語解説・定義」や研究論文の文献も紹介しながらさらなる学びにつなげるためのヒントも豊富に盛り込んでいる。
はじめて読んでもよくわかる,行動療法の歴史・原理・応用・哲学を学べる教科書。