子どもが自分本来のジェンダー・アイデンティティを選択し、適応していこうとする過程を歩むとき、さまざまな困難に悩まされます。
性別に違和感をもつ子どもたちと接していると、学校や社会の枠組みのなかでとても傷つき、不安に押しつぶされそうになりながら生活していることに気づかされます。問題は子どもにあるのではなく、社会の受け入れ方にあるのです。
性同一性障害という疾患があるから対応するのではありません。子どもが自分らしいジェンダー・アイデンティティを確立する課程で性別違和を表現したときに、周囲にいる大人たちがその気持ちを受け入れ、支え、安心して自己を表現できるような生活環境を保障することが重要です。