すいか畑に、すいかが30000こもなりました。ある日「もう食べ頃だね」とカラスが話しているのを聞いたすいかたちは、「食べられるなんて御免」と、夜中に脱走。山道をごーろごーろと転がり、新天地を目指します。生まれて初めての海や沈む夕日を見て、すいかたちは畑では味わえなかった感動を覚えます。
次の日、はりきって転がるすいかたちの目前に、突如現れた崖! すいかたちはなすすべもなく落ちていき、ぱっかーん、ぱっかーんと音をたてて割れ、果肉が花火のように飛び散りました。あとには、大きなすいかの池ができました。ところが…。
作者は『したのどうぶつえん』『あいうえおん』など、ことば遊び絵本を数々出版しているあきびんごさん。本作でも、30000このすいかが畑から大脱走するという、奇想天外なあきびんごの世界が炸裂します。現実の世界と空想の世界を自由に行き来できる子どもたちだからこそ楽しめる、ナンセンス絵本の決定版です。