朝稽古から帰る途中でいきなり襲ってきた髭面の浪人は、漂泊の旅に出ていた浅井蔵人だった。浅井の剣技にあっさりと敗れてしまった筧忠兵衛は、自らに過酷な稽古を課す。一方、探索を逃れた朝太郎は、検校になりすまして根岸にある天名の鬼六のための隠れ家にいた。再び伸ばされた魔の手は、誰を狙うのか。書き下ろし長編時代小説、熱望の第十弾。