禁演落語と国策落語については、落語の歴史の中で負の部分であり、落語家にとってはあまり触れてほしくない歴史であるかも知れない。しかし、落語の歴史の真実を知ってこそ、本当の落語の発展もあると考えた。庶民の芸である落語だからこそ、その歴史をつうじ、見えてくる日本の歴史の真実もある。いま、どういう日本をつくるべきかが重要なテーマとなっているが、日本と日本人の歴史の真実を知ることは、その答えを解く一つのカギでもある(あとがき)。