マスプロダクションのなかで、人目をひく「刺激的」なだけのデザインがまかりとおり、経済合理性と生産の論理優先で、不必要なだけでなく有害な製品が地球を汚しつづけている。著者パパネックは、このようなデザインの現状にまっ向から異議を唱え、われわれが真に必要としているものを探り、豊かな思考に支えられた数多くのデザインを生み出し、問題提起をしてきた。つねに、それを使う人間と、それが作られる状況、そして使われる環境を考える、著者独自の「生態学的デザイン」をさらに発展させた本書は、現在の地球環境がおかれた危機的状況に対する警鐘と提言に満ちている。