自意識放下のよろこび枝とともにゆれる葉はなぜそこを離れてもゆれやまず、途切れのない空気をひととおりにおりてくる道であるのだろう。 (「希望」)「貞久さんの詩の、その奇妙な世界は、と言ってみて、はて?、と絶句してしまう」(小長谷清実)。清新なウィットに始まり、「明示法」による知覚体験の記述の試みへと至る軌跡。既刊6詩集中『リアル日和』『空気集め』(H氏賞)『石はどこから人であるか』『明示と暗示』を全篇収録。解説=支倉隆子、阿部嘉昭、江田浩司、白井明大