邪馬台国や倭国が、そのまま今の日本になったのではない。日本国の成立には、7世紀・中国の政治情勢の変化が大きく関わっているのである。本書は、東アジア史の視点に立って、中国文明の辺境の地から日本国が成立するまでを実証的に解明し、従来のような、縄文時代、弥生時代、古墳時代といった歴史区分ではなく、世界史の一部として日本古代史をとらえようとした意欲的試みである。