今、食の根幹で何かが失われようとしています。食まわりの季節の移ろいをこまやかに受けとめる、旬を意識した心。食情報のにぎにぎしさに反して、実際の台所仕事としての料理離れ。これらを引き止めるために、新たな合理性が必要なのではないでしょうか。料理研究家としての長年の経験の中で感じていること、体得した知恵のいろいろを、雑誌「ミセス」「料理王国」連載分をもとに提案します。