食は郷愁である。高価なグルメ料理に舌鼓をうつのもいいが、ほんとうに旨いものは人々の想いや生活とともにある。旅先で出会った田舎料理、幼い頃の駄菓子やお弁当の想い出、そして普段何気なく食べている朝昼晩の食事の中にこそ、食の原点がある。味にまつわる文学随筆から辛辣なグルメ批判まで、名手32人が贈る味覚エッセイの饗宴。