「大丈夫。僕は消えたりしないよ」麻衣子を気遣うような、けれどどこか張りつめた声。不安になる麻衣子に、遊馬はもう一度、微笑みながら頷いてみせた。「大丈夫だよ。ここにいるから」翌朝、遊馬の姿は消えた-。同僚の飛鳥昭奈と共に、考古学会の取材に訪れたオカルト新聞記者・天瑞遊馬と聖麻衣子。三人は、偶然出会った考古学者から"解読した者は姿を消す"という古文書を見せられる。やがて暗号を解読した遊馬は、麻衣子たちの前から忽然と姿を消す。それと同じ頃、怪人・猟奇王がある目的の為、動き出す-。昭和30年。未だ色濃く残る闇を斬る、冒険ミステリー第八弾。