1960年代に伝説のカメラ雑誌『カメラ毎日』を拠点に活動を開始した高梨豊は、66年1月号に36ページにおよぶ大作東京人を発表、注目を集めた。中平卓馬、森山大道らとともに写真同人誌「プロヴォーク」に参加する一方、広告写真家として「ディスカバー・ジャパン」「いい日旅立ち」などのキャンペーンを手がけるなど、幅広く活躍。近年は東京人の撮影中から愛用しているライカがきっかけで赤瀬川原平、秋山祐徳太子とともに「ライカ同盟」を結成、活動を続けている。高梨豊にとって、ライカは作品づくりに欠かせない道具であると同時に、写真家としての方向性を決定付けたカメラでもあった。ライカとともに傑作写真をものしてきた写真家のまなざし-それが本書である。