ふとした風景かな鮮やかに蘇る日々。家の裏の懐かしい木、若い両親のはつらつとした笑顔、石油ストーブの匂い-祖母から父母、父母からわたし、そしてわたしから娘へと手渡されていく、温かい、時にはほろ苦い、かけがえのない記憶の断片。イタリアから帰国した著者がみずみずしい記憶の中から結晶させた、一編一編が小さな宝石のような輝きを放つエッセイ集。