本書において著者は、研究者としての手堅い調査研究と、作家としての洞察力をもって、沖縄戦の核心に迫り、その全体像を描きだす。日米両軍の戦略において、沖縄作戦は何だったのか?地獄の戦場に投げだされた子どもらは何を見、何を体験したか?沖縄戦開始まもない戦艦「大和」の出撃は何を意味したのか?学徒隊の10倍余の死者を出した防衛隊が、なぜ書かれないのか?沖縄戦研究の現到達段階を示す注目の労作。