1960年代の後半、はじめて自分の小説のなかで同性愛を表白したサートンは、大学の職を追われ、予定されていた本の出版も中止され、折しも愛の関係の降下と父親の死の直後で、失意の底にあった。やがて彼女は、世間の思惑を忘れ、ひたすら自分の内部を見つめることで新しい出発をしようと決意して、まったく未知の片田舎で生活をはじめる。本書は、その頃の一年間の日記である。