一番楽しみな時間は、じゅうたん織りの職人になる訓練を受けている時。じゅうたん織りにむちゅうになっているときだけ、あの爆撃機のこわい夢をわすれられる。おなかがへっていることも、なにもかも。じゅうたんを織るこの指が、戦争なんてない平和な世界をつくりだしている気がする。お父さんがいる天国のような世界を。アフガニスタンの難民キャンプにすむ少年の夢-平和への願いをこめた、赤いバラ咲くじゅうたんを織ること。