臓器移植や原子力など、科学技術が高度化・専門化へと突き進むなか、その意味があらためて問い直されている。いま求められているのは、西欧近代科学が成立した十七世紀以来、また日本でいえば本格的近代化が始まった明治維新以来の抜本的転換ではないのか。気鋭の科学史家が、二十一世紀のための新しい総合的科学技術像を提起する。