三島は学習院時代、文芸部の五年先輩である東文彦に宛てて多数の手紙を書き送った。その多くは創作に関するもので、二人は驚くほどの真率さで互いの作品を批評し合い、切磋琢磨し合った。文学のみならず、青春のさまざまな話題に触れた三島の手紙は強靱な批評精神に溢れ、不穏な戦時下にもかかわらず不思議な恩寵に彩られている。後年の豊かな稔りを予感させる興趣深い書簡集。新発見の書簡、66通一挙刊行。