ロシア未来派の超意味詩の魁として名高いフレーブニコフだが、本篇は難解とはほど遠い、読みやすい物語詩。アジアとしてのロシアシャーマンと西欧近代としてのヴィーナスとの恋愛詩とも読み得る。冬の大地を愛し一人暮らすシャーマンの許に、一糸まとわず美しく輝くヴィーナスが訪れる。甘く囁く言葉のヴィーナスの誘いに…凍れるアジアの大地の広がりと人の営みを大きなスケールでミトゥーリチが新たに描く。