うぶすなの宙〈そら〉と地の間で、遠い日の少年のまじなう声を聴くような、岡田哲也の新しい詩世界。 **わたしの声が 聴こえるかそれがわたしだと あなたにはわかるかわたしは すぼみ耳奥では ときじくの蝉が鳴いている目交には ときおり飛蚊が舞っているしかし わたしには あなたの声が聴こえるあなたの沈黙すら ありありと見える ──「聴こえるか」より