はじめに 未来への責任/現代思想のなかのヨナス/「ヨナスの哲学」を描き出す
第一章 ヨナスの人生 ヨナスの少年時代/学生時代のヨナス/古代グノーシス主義の研究/亡命と戦争/アメリカへの移住と晩年/ヨナスの著作の特徴
第二章 テクノロジーについて――技術論近代とテクノロジー/無限の「進歩」への自動運転/テクノロジーと科学/科学の没価値性/テクノロジーの没価値性/テクノロジーがもたらす破局/未来への責任/生命への眼差し
第三章 生命について――哲学的生命論 生物学の問題点/哲学的生命論の構想/生命の本質としての代謝/自己、世界、時間/死の可能性/生物種の進化/哲学的人間学へ
第四章 人間について――哲学的人間学 ホモ・ピクトル/「像」という概念の構造/「私」とは何か/人間像の形成と歴史/歴史を紡ぐものとしての人間/過去の理解/倫理の問題圏へ
第五章 責任について――責任概念の構造 生命の自己肯定/それ自体としての善の呼び声/責任の対象の条件/子どもへの責任/責任の主体としての人間/責任の審級としての存在全体/人類の存続への責任をどう基礎付けるのか
第六章 未来倫理について――形而上学的演繹 責任の可能性への責任/存在論的命令の二重性――事実と質/危機の二重性/歴史の可能性への責任/恐怖に基づく発見術/未来の形而上学の仕事
第七章 神について――神話の思想 瞬間における永遠への直面/行為の不死性/神話の思想/宇宙創成の物語/無力な神/私が神を守る:殺された人々のために
おわりに アーレントからの批判/ガダマーからの批判/アーペルからの批判/国際社会における受容/哲学者であると同時に、ユダヤ人であること
あとがき