少女の頃から、生命への興味抑えがたい私だった。長じて生物学を専攻しアメリカに留学すると、DNAの二重らせん構造を初めとする諸発見に、分子生物学界はわきにわいていた。その興奮にじかに触れ、私はすっかり魅せられてしまっていた…「生命とは何か」と今も問いつづける著者が、生命科学者となるまでの自己成長をふり返り、学究の溢れかえるほどの喜びを綴る珠玉の長篇エッセイ。日本エッセイストクラブ賞受賞。