「この方は、この遺影で喜んでおられるのかな」。小さな違和感が、やがて新聞紙上で大きなうねりを起こしていく-。生前に遺影を撮ると決意した76人と出会い、語り、セピア色の写真と人生を凝縮した文を手渡していった40代の、一市井の表現者。105人の『臨月』で準太陽賞を受賞した作家のドキュメントポートレート=肖像写真集である。