男の朝はわけアリ。宿日酔いに苦しむこともあれば、別れの哀しみを乗り越えたときもある。そんな一日を乗り切るために朝飯がある。「朝食を充実させられるのは、家庭料理だ。それで一日が始まる。はじまりのエネルギーを補強すべき料理でなくてはならない。朝食を、さらりと作れるようになれば、カミさんとして合格。少なくとも努力して十年はかかる」写真家、エッセイストであるとともに料理人としても著名な西川治氏が、三六五日の朝食を酒脱な文章で綴った実録的食卓エッセイ。