人間はなぜ眺望に魅了されるのか。なぜ故郷に愛着をもつのか。トポフィリア-"場所愛"。環境と人間との情緒的なつながりを表すこの画期的な概念を、人間主義地理学者トゥアンは本書で提唱した。ダ・ヴィンチの渓谷描写からロサンゼルスの高速道路まで、古今東西の具体例をあげて、人間の環境に対する認識・態度・価値観をくまなく探究し、理想の場所をもとめてやまない人間の営為を、まったく新しい視点から読みなおす。建築・都市計画・自然・環境論に関心をもつすべての人々にとって必読の基本図書、待望の文庫化。