「写真撮っちくれんか」-撮影処に現れたのは蓬髪、羊羹色の紋服に、よれよれの袴の坂本龍馬その人だった。時は幕末・明治、舞台は日本の玄関口・長崎。以来彦馬の周囲には、時の重要人物をめぐる事件がつぎつぎと発生する。手掛かりは写真!風雲怒涛の時代絵巻を背景に、日本で初めてのプロ・カメラマン上野彦馬がミステリーに挑む、異色の連作時代推理小説集。