同時期に道場に入門した五人の仲間は各々の道を歩み、時代は移ろう。逼迫した財政を救うため、藩の長年の悲願だった太蔵が原開墾に向け、邁進する又左衛門。だが策謀と裏切りを経て手にした権力の座は、孤独であった-。人生の晩年期に誰もが胸に抱くであろう郷愁と悔恨を、あますところなく描いた傑作長篇。