東北の大飢饉の悲劇を今に伝える小さな紙片。ソ連の潜水艦に撃沈された船に残る、毬藻のような頭蓋骨。高名な文人の葬儀に現れる気品ある謎の老女。別れた妻との復縁を望みつつも他の女に走る男…心を突き刺し、胸に沁み入る情景を「天空を自在に遊泳するような思い」で描いた、初の超短篇集。