萬稼業の素浪人・矢吹平八郎の住む長屋に病弱な母と姉弟の三人家族が引っ越してきた。その姉・おちよが子守り仕事をしながら真剣な顔で自身番に貼られた盗賊の人相書きを見つめていた。そんなおちよが平八郎を訪ねてくる。「お父っつあんを捜して欲しいんです」と、唐突に差し出した紙包みに入っていたものとは?平八郎の情けと剣が冴える、人気シリーズ第八弾。書下ろし時代小説。