食道がんは、発生数は少ないが、進行が早く、周囲にも転移しやすい厄介ながん。治療は時間との闘いとなる。近年有名人の罹患が相次ぎ、たいへん注目されている。食道がんの手術は難しく、体への負担も大きい。進行して切除不能の場合もよくみられる。また治療後の食生活の変化が大きく、患者が悩むことも多い。
本書では、患者がより良い治療を選択するために、ぜひとも知っておきたい情報と、QOL(生活の質)を維持するための工夫やヒントを厳選して提供する。食道がんの名医が贈る決定版!
〔本書の主なポイント〕
●食道がんは発生率は高くないが、進行が早い厄介ながん
●飲酒で顔が赤くなる中高年男性は要注意
●食道がんの九割以上が扁平上皮がん。腺がんが増加中
●治療法の中心は手術療法。食道の切除と再建、リンパ節郭清が基本
●ごく初期なら内視鏡治療が可能。負担は少ないがリスクもある
●病期によっては、手術に匹敵する効果がある化学放射線療法
●重粒子線治療などの最新治療は十分に情報を集めてから判断する
●退院後二年間は三~四ヵ月に一回通院検査。がんの再発を警戒する