ウルフは本書によって恐れに代わる勇気を、人生からの退却に代わる自己彫刻の人生を説いて人理的な光明を与えた。「バブルの崩壊」以来、日本も戦後最大の不況に見舞われた。明治維新、終戦後と同様の大変革期の波にもまれ、光明を見出せないでいる。ルーズヴェルト大統領のように国民に勇気を与える政治家もいない。しかし、外的環境はどうあれ、自らに勇気を与えることを怠ってはならない。本書はきっと読者の心に光明を与え、迷い道から本道へとガイドし、幸福な人生を選ぶ一助となるに違いない。本書の今日的価値はそこにある。