人類史においてかつてないほどの政治的・社会的変動を体験した20世紀は、文明史においても人間の知的活動がもっとも活発に展開された時代であった。しかし世紀末が近づくとともに、その知的成果にも翳りが見えはじめ、きたるべき未来に不安をもたらしている。この希望と不安のうちに揺れる20世紀を思想的に考えるために、現代の思想的パラダイムを構成している言語・無意識・構造・システム・情報など主要な問題群の意義と可能性を検証する。